放射線治療について

昭和大学横浜市北部病院 放射線科

Showa University Northern Yokohama Hospital
Department of Radiology

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更新日 2020-11-02 | 作成日 2007-09-18

放射線治療について

Q.

放射線治療とはどんな治療ですか?

A.

 「悪性細胞」と「正常細胞」の違いを利用して治療を行うものです。「正常細胞」の放射線によるダメージからの回復を待って機能を維持するため、約1-2ヶ月掛けて治療をします。Stereotactic Radiotherapy: SRT(定位放射線治療)などのように狭い範囲に高い線量を短期間に集中させる治療もあります。この治療は腫瘍が狭い範囲に集まっている小さな脳転移などで使用します。

Q.

どんな病気が対象になりますか?

A.

 悪性腫瘍であればほぼ総ての疾患が対象となります。ただし、腫瘍があまり広がっていない状態がよい適応です。骨転移や副腎転移、傍大動脈リンパ節転移など転移性腫瘍のコントロールもよく行なっております。脳動脈奇形や術後のケロイド予防などにも利用されることがあります。

Q.

放射線治療の利点と欠点を教えてください?

A.

 利点は腫瘍がどこにあっても治療できることや機能と形態を損ないにくいことです。放射線は単独で治療するだけでなく、手術、化学療法などと組み合わせて行うことも可能です。
 欠点は比較的長い期間が掛かることと、照射した部位にしか効果がない、逆に言えば、全身転移などで腫瘍が広範に広がっているときには治療できないことです。

Q.

放射線治療でよく誤解されるのはどんな点ですか?

A.

 日本では原爆のイメージがまだ強いため治療を受けると体がぼろぼろになるとか皮膚が焼け爛れてしまう、とか思っておられる方がまだおられますが、局所的な放射線治療は比較的安全な治療です。照射部位以外には影響はないので、頭に照射しなければ髪が抜けることもありませんし、胸に照射して腹痛が出ることも有りません。皮膚が赤くなるなど日焼け程度の副作用が見られるだけです。